これをやらなければ大丈夫シリーズも今回で最終回となりました。
Web広告で失敗している人のパターンを紹介した方が成功に繋がりやすいと思ったので始めたこのシリーズですが、最終回はどちらかと言うと運用経験者の方向けな内容になるかと思いますが、これからWeb広告を始める方、検討されている方が読んでもわかりやすい内容にしてあるはずですので、最後まで読んで頂けたら幸いです。
また、今回も内容はGoogle広告でのお話しになりますので、予めご了承ください。
・前回までのおさらい
今回のテーマへ行く前に、ひとまず前回までの失敗している人のパターンをおさらいしておきます。下記はリンクになっていますので、詳細が気になる方はリンク先も読んで頂ければと思います。
・#1 Web広告と他の広告を「同じだと」思っている
・#2 トライ & エラーを繰り返さない
【運用方法をアップデートできていない】
さて、進化するスピードが早いWeb広告ですがこれまで数々のアップデートを繰り返し、進化を遂げてきました。
月に1回は何らかのアップデートをしていて、そのアップデートが後々にボディーブローの様に効いてくるなんてことも起こったりします。
この、ボディーブローの様に効いてくるアップデートは小さなアップデートなので、媒体側から特に発表される事はなく、運用担当者の間で「最近、こんな感じじゃない?」「何か、最近出なくなったよね?」みたいな肌感覚レベルの話が繰り広げられている程度で終わります。
腕の良い運用担当者は、この様な肌感覚レベルの変化を逃さず、基本に立ち返って考えることができ、大きなアップデートが発表されてもすぐに対応できるのが腕の良い運用担当者と言えます。
では、腕の悪い運用担当者はどんな担当者でしょう?
一言で言えば、変化に応じて対処法を導き出せない人だと思います。
恐らく、肌感覚レベルの変化を感じない運用担当者はいないと思います。私自身、各広告代理店の運用担当者とお話しをさせて頂いても変化を感じていない方はいらっしゃいませんでした。その中で、今までのやり方ではダメなのに対処法を導き出せない方に共通して言えるのは「基本に立ち返って考えることができない」ということでした。
要するに、基本を理解していない、基本を忘れてしまっているが故に何をしたら良いのかわからなくなる。そしてKPIを維持するのに必死になりWeb広告の旨みを活かせず、クライアントの要望にも応えられなくなってしまうという結末を迎えている方がほんとんどでした。
■Google広告でのお話し
Google広告では、数々のアップデートがあり1番ポピュラーなアップデートと言えば、『Hagakure』『スマート自動入札戦略』『MUGEN』などではないでしょうか?
余談ですが、Google AdWordsからGoogle Adsに変わり、日本語読みではGoogle広告となっています。
未だにGoogle AdWordsとHPなどに表記してたりする代理店さんを見ると「???」となります。
Hagakureについて
「Hagakure」とは簡単に説明すると、「アカウント構造はシンプルにしましょう」というのが「Hagakure」です。
この「Hagakure」については、沢山の方がBlog等で説明されているのでここでは説明しませんが、今までアカウント構造を細分化して、キーワード毎に細かく管理しましょうというのが推奨されていたのに「アカウント構造はシンプルにしましょう」と変更されてしまったので、面食らった方は多かったと思います。
このアカウント構造をシンプルにするのが「Hagakure」と言います。
現在では、Hagakureにするのは当たり前すぎてHagakureという名称ですら普段使われていないのが現状です。私が在任中にHagakure化されていないアカウントに出会ったのは1年で2〜3アカウントくらいでした。年間900アカウントは担当していたので、完全に定着していると言っても良いと思います。
Hagakureよりも重要なのは、基本推奨設定を完全に網羅できているかです。基本推奨設定を完全に網羅できているアカウントは多いとは言えない状況でした。この基本推奨設定を完全に網羅できているかどうかでそのアカウントの良し悪しは決まってきますので、基本推奨設定は絶対に網羅する様に設定しましょう。
基本推奨設定ではなく、基本絶対設定と言っても良いくらいです。
スマート自動入札戦略について
Google広告のスマート自動入札戦略の種類は下記の種類があります。
・コンバージョン数の最大化
・目標コンバージョン単価
・コンバージョン値の最大化
・目標広告費用対効果
これらのスマート自動入札は、Google広告最大の強みである機械学習をフル活用して入札を自動的に行なってくれるかなり優れた入札戦略です。
Hagakureの所でも記載しましたが、キーワード毎に入札単価を細かく手動で管理して運用していたのが機械学習に全て任せちゃいましょうとアップデートされたので、スマート自動入札のアップデートに悪戦苦闘していた方はかなり多かったのを思い出します。
では、どの様な方がスマート自動入札戦略を攻略していったかと言うと「トライ&エラーを繰り返せる人」でした。
私も、一緒になってトライ&エラーを繰り返させて頂いたお陰で、多くの方にスマート自動入札戦略の攻略法をお伝えできたと思います。
この、スマート自動入札戦略の運用方法をマスターすればメリットだらけなので、是非マスターして頂けたらと思います。
MUGENについて
MUGENとは、簡単に説明するとキーワードのマッチタイプを部分一致にして、ユーザーの検索行動に対して広く拾っていきましょうというのがMUGENです。割と最近のアップデートになります。
以前の様にキーワードのマッチタイプを絞り込み部分一致、フレーズ一致、完全一致と細かく設定して運用していた時代と比べると、これもまた運用方法をアップデートする必要があります。しかし、これをやってしまうと無駄なクリックが増えてしまいCPAが悪化してしまうという懸念が広がっていました。
現在でも、多くの代理店の方々がこのMUGENの扱いに苦戦していて、MUGENを取り入れても結局は以前の運用方法に戻してしまうという方が多いと思います。
なぜMUGENが推奨されるのか?
CPAは悪化する、結局元に戻してしまうといった非常に扱いづらい運用方法なのに、何故推奨されるのでしょうか?
まず大前提として、Google広告は単なるWebマーケティングツールのひとつであるということです。
ユーザーの検索行動の複雑化により、マーケティングファネルは死んだとまで言われています。そこでGoogleが提唱したのがバタフライサーキットとパルス型消費です。
簡単に言うと「もう・・・ユーザーがどういうタイミングで購買行動をするかはわかりません」ということです。
今までのユーザーの消費行動であれば、手動で細かく運用していても問題無かったのですが複雑になったユーザーの検索行動にはついていけなくなってしまったので、MUGENを取り入れましょうとなったということです。
この単なるマーケティングツールのひとつであるGoogle広告を現在のユーザー行動にどの様に対応させて行けば良いのかを考えるとMUGENが推奨されるのは当たり前なのかなと思います。
このMUGENをCPAを悪化させずに、どの様に運用して行けば良いのかというところですが、基本に立ち返って考えてみれば、どのデータを見てどこを調整すれば良いのか答えは出るはずです。
基本設定、スマート自動入札戦略、MUGENをマスターすれば単なるWebマーケティングツールのひとつであるGoogle広告は、すごいWebマーケティングツールとして使える様になると思います。
結局、どうやって運用すれば良いの?と思っている方もいらっしゃると思いますが、これは私が培ってきた運用ノウハウとなりますのでクライアント様以外には公開しておりませんので、悪しからずご了承ください。
まとめ
3回にわたりWeb広告(Google広告)で失敗している人のパターンを紹介してきました。最終回の失敗している人のパターンは【運用方法をアップデートできていない】人でした。
とは言え、何よりも一番大事なのは基本をしっかり抑えて運用できるかということだと思います。
私はGoogle広告が専門なので、今回はGoogle広告についてのお話しとなりましたが、YahooやFacebookなどもその媒体の基本に沿った運用を行えば、おのずと成果は出ると思います。